過去の作品紹介 2025年度
ロシアの森を舞台に
一月から十二月までの〈月の精〉たちと
人間たちが織り成す物語を、
12人の歌い手とピアニストによって描きます
こんにゃく座が「森は生きている」をオペラとして初演したのは1992年。以来、大切なレパートリーとして上演し続けています。
岡村春彦、高瀬久男、大石哲史演出を経て、2021年2月にこんにゃく座創立50周年記念公演として、眞鍋卓嗣の演出によってオペラ『森は生きている』が生まれかわりました。こどもから大人まで、年齢を問わず楽しんでいただけるオペラです。
【ものがたり】
新しい年を迎える大晦日、年若くわがままな女王が、四月に咲くマツユキ草がほしいと言い出したため、国じゅうは大騒ぎ。ほうびの金貨に目がくらんだ継母と姉娘のいいつけで、マツユキ草を採ってくるようにと一人のむすめが真っ暗な森に追いやられます。
森に出かけたむすめは、そこで一月から十二月までの月の精たちと出会います。むすめの話を聞いた四月の精は、他の月たちに頼んで一時間だけ「時」をゆずってもらいます。冬の森はたちまち春へと季節をかえ、むすめの目の前で一面にマツユキ草が顔を出します。
むすめの帰りを待ちかまえていた継母と姉娘はマツユキ草を取り上げ、宮殿の女王の元へ。女王は、みずからマツユキ草を摘むために家来たちを引き連れて森へと出かけていきます。しかし、そこで待ちうけていたものは…。
「蟹工船」などで知られるプロレタリア作家であり、特高警察による拷問により1933年に虐殺された小林多喜二。その母セキの生涯を描いた三浦綾子の小説を舞台化。
舞台では、自ら深く傷つきながらも家族を、そして他人を思いやり、思想やイデオロギーを超えて息子に寄り添う母セキ(佐々木愛)の姿が描かれます。
【あらすじ】
「ほれっ! 多喜二! もう一度立って見せねか! みんなのために、もう一度立って見せねか!」
1933年2月20日。小説家小林多喜二が特高警察によって虐殺された。拷問跡の残る遺体に、多喜二の母セキは寄り添い、ずっと頬を撫で擦っていた。
貧しさの中、学校へも通えず、13歳で結婚。秋田から小樽へ移住し、懸命に働き六人の子を育てたセキ。そんな母の姿を見ながら、小林多喜二は小説を書いた。貧しく虐げられた人たちのことを思い、書き続けた。
晩年、セキは息子多喜二を語る機会を得る。母さんを人力車に乗せて、この(小樽の)通りを走らせてやりたいと願った、多喜二青年の夢と愛の軌跡――。
無学の母は、問われるままに語り始める……。
明治維新という激烈な変化を経験した後の日本人像を描いた夏目漱石の「虞美人草」をマキノノゾミが翻案、設定を昭和48年に置換えました。
錯綜する若者たちの姿を70年代ロックにのせて熱く描いた青春群像劇です。
【あらすじ】
時は昭和48年(1973 年)。The Beat l e s 、The Rol l ing Stone s 、Led Zeppel in といった当時全盛の70 年代ロックにどっぷりと浸かり、大人への階段を上っている途中の若者たちが織り成す悲喜こもごも。
代議士の息子である甲野欽吾は売れないマニアックなロック雑誌「エピタフ」を刊行している。盟友である宗近、小野、浅井らが編集に携わるという、いわゆる同人誌的な雑誌であった。ある日小野と浅井がエピタフを辞めると言い出す。それと同時に甲野の腹違いの妹である藤尾は司法試験のために勉強中である小野に急接近。しかし小野には郷里に婚約者に近い小夜子という女性がいるのだった。
煮え切らない態度の小野に宗近が諭す。「そいつはロックじゃないぜ…」
「僕は芝居がしたい、芝居がしたいんです!」
戦争一色の中、自由を奪われ、
検束の危険を冒しながら、
それでも芝居をやり続けようとした
新劇人たち・・・・・
ノンフィクション作家、堀川惠子さんの「戦禍に生きた演劇人たち」(講談社)が原作。
自由を奪われ活動も制限された戦争一色の時代にあっても、それでも芝居を続けたいと、夢を貫いた新劇人たちの姿を、史実に基づいて描いた今に通じる生きたドラマです。生きること、友を想うこと、夢を持つこと、そして闘うこと・・・・果たして丸山定夫、八田元夫、三好十郎の三人が時代と闘いながら見た夢とは・・・・。
私達はこの世を見るために、
聞くために、生まれてきた。
ただそれだけを望んでいた。
…だとすれば、
何かになれなくても、
私達には生きる意味があるのよ。
ミュージシャン・タレントとしても有名なドリアン助川が書いた小説「あん」は、かつてハンセン病患者が社会から断絶され隔離されていた歴史的事実をもとに、心ない噂や真実に基づかない偏見によって苦しめられながらも、生きることの尊さを訴えた作品である。
今、日本のみならず世界ではコロナ禍もあり分断と格差が広がっている。 生きることの尊さを再確認する舞台として上演します。
【あらすじ】
~人はなんのために生まれてきたのだろう~
線路沿いから一本路地を抜けたところにある小さなどら焼き店。 千太郎が日がな一日鉄板に向かう店先に、バイトの求人をみてやってきたのは、70歳を過ぎた手の不自由な女性・吉井徳江だった。
徳江のつくる「あん」の旨さに舌をまく千太郎は彼女を雇い、店は繁盛しはじめるのだが……。
偏見のなかに人生を閉じ込められた徳江、生きる気力を失いかけていた千太郎、ふたりはそれぞれに新しい人生に向かって歩き始めるのだが……。




