作品紹介(2025年)
明治維新という激烈な変化を経験した後の日本人像を描いた夏目漱石の「虞美人草」をマキノノゾミが翻案、設定を昭和48年に置換えました。
錯綜する若者たちの姿を70年代ロックにのせて熱く描いた青春群像劇です。
【あらすじ】
時は昭和48年(1973 年)。The Beat l e s 、The Rol l ing Stone s 、Led Zeppel in といった当時全盛の70 年代ロックにどっぷりと浸かり、大人への階段を上っている途中の若者たちが織り成す悲喜こもごも。
代議士の息子である甲野欽吾は売れないマニアックなロック雑誌「エピタフ」を刊行している。盟友である宗近、小野、浅井らが編集に携わるという、いわゆる同人誌的な雑誌であった。ある日小野と浅井がエピタフを辞めると言い出す。それと同時に甲野の腹違いの妹である藤尾は司法試験のために勉強中である小野に急接近。しかし小野には郷里に婚約者に近い小夜子という女性がいるのだった。
煮え切らない態度の小野に宗近が諭す。「そいつはロックじゃないぜ…」
「僕は芝居がしたい、芝居がしたいんです!」
戦争一色の中、自由を奪われ、検束の危険を冒しながら、
それでも芝居をやり続けようとした新劇人たち・・・・・
ノンフィクション作家、堀川惠子さんの「戦禍に生きた演劇人たち」(講談社)が原作。
自由を奪われ活動も制限された戦争一色の時代にあっても、それでも芝居を続けたいと、夢を貫いた新劇人たちの姿を、史実に基づいて描いた今に通じる生きたドラマです。生きること、友を想うこと、夢を持つこと、そして闘うこと・・・・果たして丸山定夫、八田元夫、三好十郎の三人が時代と闘いながら見た夢とは・・・・。
私達はこの世を見るために、聞くために、生まれてきた。
ただそれだけを望んでいた。 …だとすれば、
何かになれなくても、私達には生きる意味があるのよ。
ミュージシャン・タレントとしても有名なドリアン助川が書いた小説「あん」は、かつてハンセン病患者が社会から断絶され隔離されていた歴史的事実をもとに、心ない噂や真実に基づかない偏見によって苦しめられながらも、生きることの尊さを訴えた作品である。
今、日本のみならず世界ではコロナ禍もあり分断と格差が広がっている。 生きることの尊さを再確認する舞台として上演します。
【あらすじ】
~人はなんのために生まれてきたのだろう~
線路沿いから一本路地を抜けたところにある小さなどら焼き店。 千太郎が日がな一日鉄板に向かう店先に、バイトの求人をみてやってきたのは、70歳を過ぎた手の不自由な女性・吉井徳江だった。
徳江のつくる「あん」の旨さに舌をまく千太郎は彼女を雇い、店は繁盛しはじめるのだが……。
偏見のなかに人生を閉じ込められた徳江、生きる気力を失いかけていた千太郎、ふたりはそれぞれに新しい人生に向かって歩き始めるのだが……。